
≪あまつひ椿樹≫「境界を灯す火」〜お盆に感じる命のつながり〜
おはようございます。
椿樹です。
お盆になると、日本各地で「迎え火」や「送り火」が行われますね。
家の前で小さな火を焚いたり、
京都の五山送り火のように山に大きな文字を浮かべたり。
この火って、ただ照らすだけではなくて、
とっても大切な意味があるのを知ってますか?
民俗学や神事の世界では、
火は「あの世と現世の境界線」を示すものとされてきました。
古代から世界各地で、
火は「浄化」「守護」「結界」を作る力を持つと信じられてきたんです。
たとえば、日本の神社でも祭事のときに火を焚くのは、
その場を清め、神や霊を迎えるための準備。
神棚や仏壇に灯す火も、
「ここが神仏と交わる場ですよ」という印になります。
お盆の迎え火は、帰ってくるご先祖さまが迷わず家までたどり着けるように灯します。
送り火は、また来年までの道のりを照らしながら見送ります。
この火は単なる“明かり”ではなく、
「ここから先は特別な世界ですよ」と知らせるサイン。
灯した瞬間、その場は普段とは違う空気を帯び、
時間や空間の境目がふっと現れるんです。
心理的にも、この「境界を示す行為」にはとても意味があります。
火を灯すことで、「ここからが特別な時間」という区切りが生まれ、
私たちはそこに集中できるようになります。
そして、その火が表してくれること、
「自分の命は、過去から続く命の繋がりの上にある」
自分はひとりで生きているのではなく、
たくさんの縁と命のつながりの中に生かされている──
この気づきが、あなたが、今ここに存在していることの
安心感や感謝の気持ちを育ててくれるのではないかな、と思います。
今のご時世、なかなか実家やお墓に行けない人も増えてますが、
それでも、小さなキャンドルやお香を灯すことで、
“自分なりの迎え火・送り火”を行うことはできますよね。
火を見つめながら、迎えたいものと送りたいものを心の中で静かに思う。
その時間が、日常の中に小さな境界線を作って、
心を守る結界のような役割を果たしてくれるのではないかな?
お盆は、ご先祖さまをお迎えする行事ですが、
私は「守られている」という感覚を取り戻すための日でもあるんだと思います。
もうすぐくるお盆期間、小さな火を灯しながら、
命のつながりと、今、ここに生きていることへの感謝を、
感じる時間をつくってみてはいかがでしょうか?
では、またあした。
椿樹(つばき)
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