
≪あまつひ椿樹≫「“紅”と“誇り”──日本語が教えてくれる在り方」
おはようございます。
椿樹です。
昨日、息子が観ていた“もののけ姫”のつづきを観ました。
過去にも観たことがありますが、
この歳で観るこの映画は、見方が全く変わっていました。
内容については、また次回書かせていただくとして、
作中に出てくる言葉で、ツン!と耳に入った言葉が。
それは、タタラ場の女性がつかった、
『紅を点す(べにをさす)』という言葉。
現代で言うと“口紅を塗る”
“紅”という言葉から、私たちは“赤”を連想しますが、
昔は、“赤”と“紅”という言葉は使い分けられていた。
赤は、明るいという言葉があるように、光を表す言葉。
明るみに出る、赤裸々に語る…
光のおもてに立つような言葉。
それと比べ、紅は、紅花(べにばな)の色を表した言葉。
そして、紅(くれない)は、“呉の藍(くれのあゐ)”
呉とは、中国のことだそう。
紅葉という単語は、葉が緑から、紅のような色に移り変わるというあらわれ。
『口紅を塗る』
という現代の言葉は、
キャンバスに色を塗るような、のせていくイメージですが、
『紅を点す』
という言葉には、
これから外へ出かける際の、その高揚感や特別感、
自分が女性であるという色香をまとう覚悟、
そんなとても色気のある、艶やかな言葉のようにに感じるのです。
行動としては、どちらの言葉を使っても同じ意味。
ですが、使われる言葉で、イメージや腹積もりが変わる。
これが、言葉、言霊の力だなと思ったのでした。
最近、言葉でもう一つ気づいたことが。
日本には“誇り(ほこり)”という言葉がある。
でも、誇りって普段使いますか?
誇りってどんな意味?と聞かれたら、
プライドと同じと思うかもしれません。
ですが、現代で使われている“プライド”は、
どちらかというと、握りしめたマイナスな感情などの
意味合いのものが多く、
『不要なプライドは捨てて…』
なんて言われますよね?
プライド、って、本当に捨てるもの?
これって、“誇り(ほこり)”が、“埃(ほこり)”、にすり替わっていると思うんです。
世間的に言われている埃(ほこり)は、
おそらく、本来は塵(ちり)なんじゃないかな?
どこかで、どこかから、すり替わってしまっている日本語。
塵は、捨てるもの。
現代で使われるプライドは、固執、執着している心。
それは捨てていい。
誇り=プライド
は、本来魂の中に、忘れられようがない、“信念”ですよね。
ある方が、『誇り』と言ったときに、
ピンと降りてきた、埃とのリンク。
正しい日本語、本来の言葉を知る、使うこと、
その言葉を脳が聞くことは、
生き方や、在り方をも変えるのではないでしょうか?
“ヤバい、まじで、えぐい”
で会話が成り立ってしまう、今の子どもたち。
これは結構深刻な状態なのかもしれない。
言葉から得られる力がない、自分の力を発揮できない、
ものすごく大きな影響があるように思います。
感謝、挨拶、これらも日本語のようですが、
中国からきている漢文。
ありがとう、さようなら、が日本の言葉。
本来、古来の日本語。
探してみたり調べてみること、
私もこれからやっていきたいと思います。
あなたも一緒に、使っている言葉、
少しだけ見直してみませんか?
ひとりひとりが使う言葉を変えるだけで、
日本人の意識が変わる、心が変わる、影響があると、
私は信じています。
では、また。
椿樹
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あまつひ 椿樹

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