《ルリア・翠月》人生|50代で転職を考えるのはダメでしょうか?
50代で転職を考えるのはダメでしょうか?
「先生、50代で転職を考えるなんて、やっぱり無謀でしょうか?」
あるお客様から、こんなご相談をいただきました。
お話を聞いていくと、今の職場だけが嫌なのではありませんでした。
彼女はぽつりと、
「考えてみたら、今まで仕事をしていて『楽しい』と思ったことが一度もないんです」
とおっしゃいました。
この言葉が、私はとても気になりました。
仕事だから楽しいことばかりではありません。
嫌なこともあります。
我慢しなければならない日もあります。
それでも何十年と働いてきて、
「一度も楽しいと思ったことがない」
という言葉には、彼女がこれまでどれほど頑張ってきたのだろうと思わずにはいられませんでした。
彼女の数秘は「9」でした
彼女の数字を見てみると「9」。
数秘9には、共感性や思いやり、人の気持ちを感じ取る力などが表れやすいと私は考えています。
周りの人の気持ちを察する。
困っている人を見ると放っておけない。
相手の立場になって考える。
そして時には、自分の気持ちより相手を優先してしまう。
彼女のお話を聞いていると、そんな9の性質がよく表れているように感じました。
ところが、彼女が長年してきた仕事は「営業」でした。
営業ができないわけではない。でも、つらい
彼女はコミュニケーションが苦手なわけではありません。
むしろ人と話すことはできます。
相手の話を聞くこともできます。
だから周りから見ると、
「営業に向いているじゃない」
と言われることもあったそうです。
でも、本人はつらかった。
数字を追うこと。
契約を取ること。
売上を求められること。
必要性を感じていない相手にも商品を勧めなければならない場面。
「もっと押して」
「そこで引いたらダメ」
と言われても、
相手が困っている顔を見ると、押せない。
「本当にこの人に必要なのかな?」
と考えてしまう。
だから彼女は、
「私は営業に向いていないんでしょうか?」
とおっしゃいました。
私は、少し違うと思いました。
「できる仕事」と「心が喜ぶ仕事」は同じとは限らない
ここは、とても大切です。
できることと、好きなことは違います。
彼女は人と話せます。
相手の気持ちも読み取れます。
コミュニケーション能力もあります。
だから「営業ができない人」ではないのです。
むしろ、その優しさを生かして、お客様から信頼されてきた部分もあったのではないでしょうか。
でも、その能力を「売るため」に使い続けることが、彼女には苦しかった。
もしかすると彼女は、
人を説得することより、人を理解することに喜びを感じる人
なのかもしれません。
「売れた!」より、
「ありがとう。あなたに話してよかった」
と言われるほうが嬉しい。
もしそうなら、同じコミュニケーション能力でも、使う場所を変えるだけで仕事に対する感覚が変わる可能性があります。
数秘9だから営業が向いていない、ではありません
ここは誤解してほしくないところです。
私は、
「あなたは9だから営業には向いていません」
とは言いません。
同じ9でも、人によって経験も性格も環境も違います。
営業といっても、仕事の内容はさまざまです。
相手の悩みをじっくり聞き、その人に本当に必要なものを提案する営業なら、むしろ彼女の良さが生きることもあるでしょう。
大切なのは職業名ではなく、
その仕事の中で、自分の性質をどんなふうに使っているのか
だと思います。
50代だから、転職してはいけない?
そして彼女が一番気にしていたのが、年齢でした。
「もう50代ですよ」
「今さら転職なんてできますか?」
「若い人ならともかく、この歳でやりたいことを探すなんて遅いですよね?」
私は、こうお話ししました。
「転職するかどうかを、今日決めなくてもいいんですよ」
50代で転職することには、もちろん現実的な問題もあります。
収入はどうなるのか。
希望する仕事に求人があるのか。
これまでの経験を生かせるのか。
家族や生活への影響はどうなのか。
勢いだけで仕事を辞める必要はありません。
でも、
「50代だから」という理由だけで、自分の気持ちに蓋をする必要もない
と私は思います。
「辞める・辞めない」の前に考えてほしいこと
彼女には、すぐに転職先を探すより先に、こんなことを考えてみてくださいとお話ししました。
「これまでの仕事で、一番つらかったことは何ですか?」
「反対に、仕事の中で少しでも嬉しかった瞬間はありませんでしたか?」
「売上を上げたときと、お客様からありがとうと言われたとき。どちらが心に残っていますか?」
「もし収入や年齢をいったん横に置けるとしたら、どんなふうに人の役に立ちたいですか?」
ここを掘り下げると、
「今の会社が嫌だから辞めたい」
から、
「これから私は、どんな働き方をしたいのか」
へと問いが変わっていきます。
転職を考えるなら、この違いはとても大切です。
50代には、50代だからこそ持っているものがある
20代には20代の良さがあります。
でも50代には、50代だからこそ積み重ねてきたものがあります。
仕事で失敗した経験。
人間関係で悩んだ経験。
誰かを支えた経験。
我慢してきたこと。
乗り越えてきたこと。
そして、長年仕事をしてきたからこそ身についた、人を見る力。
彼女が長年営業で身につけてきたコミュニケーション能力も、なくなるわけではありません。
今までの人生を捨ててゼロから始めるのではなく、今まで積み重ねたものを、もっと自分らしく使える場所を探す。
そう考えればいいのではないでしょうか。
9の彼女に、私はこう伝えました
あなたは今まで、人の気持ちを考えながら一生懸命働いてきたのでしょう。
相手に嫌な思いをさせたくない。
会社にも迷惑をかけたくない。
家族にも心配をかけたくない。
だから今度は、
「私はどうしたい?」
を考えてみませんか。
50代だから遅いのではありません。
50代になったからこそ、
「残りの仕事人生を、このまま終わらせたくない」
という自分の本当の気持ちに気づいたのかもしれません。
その気持ちを、なかったことにしなくてもいいのです。
数秘は「転職しなさい」と決めるものではありません
占いに来ると、
「転職したほうがいいですか?」
「今の会社に残ったほうがいいですか?」
と聞きたくなると思います。
でも私は、
「転職しなさい」
とも、
「今の会社にいなさい」
とも決めません。
人生を決めるのは、その方自身だからです。
数秘を通して私が一緒に見たいのは、
「あなたは何を大切にして生きたい人なのか」
ということです。
今まで楽しいと思えなかったのなら、
「仕事なんてそんなもの」
で終わらせる前に、一度自分自身に聞いてみてもいいのではないでしょうか。
「私は、本当はどんな働き方をしたかったんだろう?」
50代は「もう遅い」ではなく、「これからを選ぶ」年齢
50代で転職を考えることが正解なのか、不正解なのか。
私は、年齢だけで答えは出せないと思っています。
転職しないという選択もあります。
今の会社で働き方を変える方法もあります。
部署を変える。
役割を変える。
人との関わり方を変える。
そしてもちろん、新しい仕事に挑戦するという選択もあります。
大切なのは、
「もう50代だから仕方ない」と、自分の人生を諦めてしまわないこと。
50代は、これまで歩いてきた人生があるからこそ、
「私は何が苦手だったのか」
「何をしていると心が満たされるのか」
を若い頃より理解できる年代でもあります。
数秘術は、あなたの代わりに転職先を決めてくれるものではありません。
でも、
自分の性質を知り、これからの人生をどう生きたいのかを考えるための道しるべ
にはなると、私は思っています。
今までの仕事が楽しくなかったとしても、
これから先まで、ずっと楽しくないと決まったわけではありません。
50代。
まだ、これからです。
今度は少しだけ、
「人から求められる自分」ではなく、「自分が心地よく生きられる自分」
を選んでみてもいいのではないでしょうか。
ルリア・翠月
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